【Weight of the World】English Version と 壊レタ世界ノ歌 の違い

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Commentary

And the sky, it looks so ominous

ominous(形): 不吉な

And as time comes to a halt

as(接): 〜している時

as と when の違い

〜している時、ということは when と同じ意味と感じるかもしれません。
大体その認識であっているのですが、when は “順序”、as は “同時” という細かいニュアンスの違いがあります。
今回の文章で言うと as を使った時と when を使った時とでは次のようになります。

as停止する時がくると同時に、静寂が溢れ始める
when停止する時がきて、静寂が溢れ始める

イメージでいうと as は「プツッ」、when は「プツッ……シーン」となります。
心なしか as の方が儚いですね。
今回の文章の例でいうとどちらを使っても問題ありませんが、次のようなシチュエーションは一方が適切となります。

  • 夜遅くに家に帰って、私はお風呂に入った

この場合は when が適切となります。

  • When I got home late at night, I took a bath.

理由は、帰宅してからお風呂に入るという順序性があるためです。
帰宅と入浴は同時にできないですからね。

My cries are inconspicuous

cry(動): 叫ぶ、泣く
inconspicuous(形): 目立たない、引き立たない

cry とshout の違い (1)

サビにも出てきますが shout も cry 同様「叫ぶ」という意味を持ちます。
cry は喜び、驚き、苦しみ、痛みなどで思わず叫んでしまう場合に用います。
そして、shout は言葉を大声で言ったり、誰かを怒鳴る場合に用います。
cry の方が感情を含んでいることが分かるでしょうか。
このような違いを理解した上でもう一度歌詞を読んでみると、この文の持つ悲痛さをより肌に感じることができます。

この部分については、English Version の直訳と 壊レタ世界ノ歌 の意味がほとんど一致しています。
違いは English Version では My cry であるため、声の主がであり、その声が感情を伴った叫びであると示していることです。
壊レタ世界ノ歌では歌詞にとしかないため、誰のどんな声なのかは分かりません。
聴く人が色々と考察することができる作りになっています。

Is this the price I’m paying for my past mistakes?

price(名): 代償

price = 価格 というイメージが強いですが、代償という意味もあります。

同格

また、この文では同格という英文法が使われています。
それがどこかというと……

Is this the price I’m paying for my past mistakes?

上記英文の太字部分が同格を使っている部分です。
同格は端的にいうと後ろの要素が前の要素を補うというものです。
前の要素後ろの要素が分かるように色をつけると、下記のようになります。

Is this the price I’m paying for my past mistakes?

関係代名詞と似ていると感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、関係代名詞であるなら後ろの要素は不完全文になるはずです。
そのため同格は関係代名詞とは異なる英文法となります。

同格の使う場合の前の要素後ろの要素の関係は下記の通りです。

  1. 名詞+名詞
  2. 代名詞+名詞
  3. 名詞+名詞節
  4. 文+名詞
  5. 名詞+of+名詞

今回使われているのは 3 の「名詞+名詞節」です。
名詞節というのは文が名詞の役割を果たすものです。
後ろの要素は見ての通り名詞ではなく文であるため、名詞節であるということが分かるかと思います。

名詞節には下記があります。

  1. that節
  2. whether節
  3. If節
  4. 関節疑問文
  5. 関係代名詞 what
  6. 服号関係代名詞

では I’m paying for my past mistakes はどれに該当するのでしょうか?

正解は 1 の that節 です。
この文では that が省略されているのです。

Is this the price that I’m paying for my past mistakes?

よって「これは私が過去の過ちに対して支払っている代償ですか?」という訳になります。
ちなみに that節 の that が省略されるというのは極めて稀な例です。

I need you more than ever right now

more than ever: ますます、これまで以上に

‘Cause we’re gonna shout it loud

cause=because
shout(動): 叫ぶ

cry とshout の違い (2)

cry ではなく shout とすることで、同じ「叫ぶ」でも cry と比べ理性を欠いた本能的な叫びを表現しています。
後ろにたとえ言葉が無意味に思えてもと続くことからも、shout の適切さが分かるかと思います。
壊レタ世界ノ歌は僕らの存在が無価値でもで、English Version は僕らの言葉が無意味でもというニュアンスであるため結構意味が違いますね。
ただ両者共に無力感を表現している点では共通しています。

I wish that someway, somehow

wish that ~: ~であればよいのにと思う
someway(副): なんとかして
somehow(副): なんとかして

someway、somehow は同じ意味です。
「なんとかしたい」を2回繰り返して強い意思を示しています。

That I could save every one of us

every one of us: 我々皆

that節が2回?

that節 がポンと一つあることと、前の文が中途半端に途切れていることから、前の文の続きであることはわかるかと思います。

I wish that someway, somehow
that I could save every one of us

I wish that節(不完全文) that節(完全文) という構成になっていますね。
これは文法的に誤っています。
そもそも、不完全文は関係代名詞などあらかじめ使うことが決まっている文法以外では用いません。
これは歌の構成が somehow で区切り、一呼吸おいて次の歌詞を歌い出すというものになっているため、that節以降を敢えて二回に分けて歌っています。
文頭の That を取り除き、前の文と繋げると文法的に正しい英文となります。

I wish that someway, somehow I could save every one of us
(私はなんとかして私たち全員を救えたらいいのに)

仮定法過去

ここでは仮定法過去という文法が使われています。
下記英文の太字部分がその文法を使っている場所です。

I wish that someway, somehow I could save every one of us

wish は現在形であるのに、太字部分は過去形になっています。
これが仮定法過去です。
現在の事実に反する仮定をする場合に用います。
私たち全員を救えないことを、この時点で読み取ることができます。

Maybe if I keep believing my dreams will come to life

come to life: 生き返る、真に迫る

After all the laughter fades

laughter(名): 笑い、笑い声

Signs of life all washed away

wash away: (雨・流水などで)押し流される、えぐられる

I can still, still feel a gentle breeze

gentle breeze: そよ風、軟風

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