【グレイテスト・ショーマン】英語歌詞で読み解くリライト・ザ・スターズ

trapeze グレイテスト・ショーマン
The Greatest Showman | "Rewrite The Stars" Lyric Video | Fox Family Entertainment

グレイテスト・ショーマンの劇中歌 “リライト・ザ・スターズ”。

この歌には偏見渦巻く中自由に恋愛のできないフィリップとアン、それぞれの切なる思いが綴られています。

実はこの曲、サビの英語歌詞に注目するとより深く理解することができます

サビを並べてみる

曲中にはサビが3回登場します。

1回目はフィリップが、2回目はアンが、3回目は二人で。

ざっくり言うとこのような構成になっています。

フィリップがアンとこの世界への思いを語る
フィリップの思いを聞いた上で、アンがフィリップとこの世界への思いを語る
それぞれの思いを語った上で、改めて互いの思いを語る

それでは歌詞を実際に並べていきます。

What if we rewrite the stars
No one can rewrite the stars
How do we rewrite the stars?
Say you were made to be mine
How can you say you’ll be mine?
Say you were made to be mine?
Nothing could keep us apart
Everything keeps us apart
Nothing can keep us apart
You’d be the one I was meant to find
And I’m not the one you were meant to find
‘Cause you are the one I was meant to find
It’s up to you, and it’s up to me
It’s not up to you It’s not up to me
It’s up to you, and it’s up to me
No one can say what we get to be
When everyone tells us what we can be
No one can say what we get to be
So why don’t we rewrite the stars?
How can we rewrite the stars?
And why don’t we rewrite the stars?
Maybe the world could be ours Tonight
Say That the world can be ours Tonight
Changing the world to be ours

重なる部分が多いことにお気づきでしょうか?

更に分かりやすくするため、全てのサビで重なっている部分に赤色で、1番と2番のサビで重なっている部分に青色で色をつけます。

What if we rewrite the stars
No one can rewrite the stars
How do we rewrite the stars?
Say you were made to be mine
How can you say you’ll be mine?
Say you were made to be mine?
Nothing could keep us apart
Everything keeps us apart
Nothing can keep us apart
You’d be the one I was meant to find
And I’m not the one you were meant to find
‘Cause you are the one I was meant to find
It’s up to you, and it’s up to me
It’s not up to you It’s not up to me
It’s up to you, and it’s up to me
No one can say what we get to be
When everyone tells us what we can be
No one can say what we get to be
So why don’t we rewrite the stars?
How can we rewrite the stars?
And why don’t we rewrite the stars?
Maybe the world could be ours Tonight
Say That the world can be ours Tonight
Changing the world to be ours

上記の色のついていない部分、つまり違いのある部分がこの曲をより深く読み解く上での鍵になります。

実際には、下記のようなことが分かります。

  • フィリップとアンの考えの違い
  • それぞれの考えを聞いた上で、2人の思いがどのように変わったか

もちろんこれらは字幕版でも理解することはできます。

しかし、字幕には画面上に表示できる文字数の制約や、ナチュラルな日本語にするためにどうしても意訳が入るため、原語にある良さを100%表現しきることは不可能です。

この記事では、字幕では漏れてしまったそのような部分を紹介していきたいと思います。

解説

フィリップとアンの考えの違い

二人の考えの違いを、私の日本語訳と共にみていきます。

英語の意味を拾うことに重視しているため、日本語としてのナチュラルさは若干欠けている部分もございますがご了承ください。

サビ1行目

What if we rewrite the stars
No one can rewrite the stars
僕たちで運命を書き換えるならどうする?
誰も運命を書き換えることなんて出来ないわ

フィリップの問いにアンが答えています。

差別を受けることなく生きてきたフィリップと、有色人種であるだけで世間から非難の目を向けられてきたアン。

そんな2人の悲観具合の違いが色濃く現れています。

サビ2行目

Say you were made to be mine
How can you say you’ll be mine?
言って 僕のものになるために生まれたと
どうしてあなたは「君は僕のものになるよ」なんて言うことができるの?

サビ3行目

Nothing could keep us apart
Everything keeps us apart
どんなことも僕たちを引き裂くことなんて出来やしないだろう
すべてが私たちを引き裂く

サビ4行目

You’d be the one I was meant to find
And I’m not the one you were meant to find
君は僕が出会う運命にあった人なのだろう
それに私はあなたが出会う運命にあった人ではない

サビ5行目

It’s up to you, and it’s up to me
It’s not up to you It’s not up to me
君次第 そして僕次第
あなた次第ではない 私次第ではない

サビ6行目

No one can say what we get to be
When everyone tells us what we can be
誰も指図すること出来ない
いつだってみんなが私たちに指図するんだから

サビ7行目

So why don’t we rewrite the stars?
How can we rewrite the stars?
だから僕たちで運命を書き換えてみない?
どうすれば私たちで運命を書き換えられるの?

サビ8行目

Maybe the world could be ours Tonight
Say That the world can be ours Tonight
きっと 今夜 世界は僕たちのものにできるだろう
言って 今夜 世界は私たちのものにできるって

フィリップが “Maybe” “could” を使っているのに対し、アンはそんな不確かな言葉じゃなくて “can” と言い切って欲しいと返します。

could は can の過去形という印象が強い方も多いと思いますが、ここでは can よりも実現可能性は低い意味合いで使われています。

アンはここまでずっと世間へのネガティブな思いをずっと語っていました。

しかし、ここで初めてアンの本音がチラリと顔を出します。

2人の思いの変化

2人の思いの変化を私の日本語訳と共に見ていきます。

サビ1行目

What if we rewrite the stars
No one can rewrite the stars
How do we rewrite the stars?
僕たちで運命を書き換えるならどうする?
誰も運命を書き換えることなんて出来ないわ
どうすれば私たちで運命を書き換えるの?

最初のフィリップの言葉は全体的に「だいじょぶだいじょぶ!僕たちならきっと一緒にいられるって」といったようなフワッとした自信で溢れていました。
しかしアンの世界に対する悲観的な思いを全部聞いて、互いの思いの強さだけではやっていけないことを理解します。
そのため③では「どうやって2人の運命を変える?」といったように、アンの気持ちに寄り添いながら具体的にどうしていくか考える姿勢を示しています。

アンはというと、最初はどこまでも悲観的でしたが②サビ後の掛け合いを経て、諦めずに考える姿勢を示しています。

総括すると、フィリップはより現実的に、アンは前向きに、それぞれの思いは変化しました。

サビ2行目

Say you were made to be mine
How can you say you’ll be mine?
Say you were made to be mine?
言って 僕のものになるために生まれたと
どうしてあなたは「君は僕のものになるよ」なんて言うことができるの?
言って 私のものになるために生まれたと

①でフィリップが言っていたことを③では2人で歌っています。
サビ1行目で見られたアンの思いの変化がここにも現れていますね。
もう1つ分かる変化として、②では強い言葉でフィリップに現実を突きつけていましたが、③ではフィリップが言っていたことを復唱していたことからも分かる通り、彼の気持ちに寄り添うようになっています。

サビ3行目

Nothing could keep us apart
Everything keeps us apart
Nothing can keep us apart

フィリップの思いの変化は助動詞に注目すると分かりやすいです。

Nothing could keep us apart
Nothing can keep us apart

could から can になっています。
①と②のサビ8行目の比較の際にも触れましたが、can は could よりも実現可能性が高い場合に使います。
アンの「不確かな言葉ではなく can と言い切って欲しい」という気持ちに応えています。

どんなことも僕たちを引き裂くことなんて出来やしないだろう
すべてが私たちを引き裂く
どんなことも僕たちを引き裂くことなんて出来やしない

サビ4行目

You’d be the one I was meant to find
And I’m not the one you were meant to find
‘Cause you are the one I was meant to find

ここに関しても助動詞に注目するとフィリップの思いの変化を読み取ることができます。

You’d be the one I was meant to find
‘Cause you are the one I was meant to find

①にはあった ’d が消えています。
まずはこの ’d がなんぞやというところから考えていきましょう。
’d は「had」「would」の省略に使います。
この中で「had」は候補からすぐに外すことができます。
なぜなら「had」の場合、文章は過去完了形になるためです。
過去完了形の場合、「had」に続く動詞は過去分詞形になりますが、フィリップの文を見てみると「be」と原形が来ています。
以上のことから「had」ではなく「would」の省略ということが分かります。

「would」は「could」よりも実現可能性が高い場合に用いますが、それでも言い切る形ではありません。
それが③では消滅し、断言する形に変化しています。

君は僕が出会う運命にあった人なのだろう
それに私はあなたが出会う運命にあった人ではない
あなたは私が出会う運命にあった人だから

サビ5行目

It’s up to you, and it’s up to me
It’s not up to you It’s not up to me
It’s up to you, and it’s up to me
君次第 そして僕次第
あなた次第ではない 私次第ではない
私次第 そして私次第

サビ6行目

No one can say what we get to be
When everyone tells us what we can be
No one can say what we get to be
誰も指図すること出来ない
いつだってみんなが私たちに指図するんだから
誰も指図すること出来ない

サビ7行目

So why don’t we rewrite the stars?
How can we rewrite the stars?
And why don’t we rewrite the stars?
だから僕たちで運命を書き換えてみない?
どうすれば私たちで運命を書き換えられるの?
そして私たちで運命を書き換えてみない?

サビ8行目

Maybe the world could be ours Tonight
Say That the world can be ours Tonight
Changing the world to be ours
きっと 今夜 世界は僕たちのものにできるだろう
言って 今夜 世界は私たちのものにできるって
世界を私たちのものに変えながら

ラストは「できるかできないか」ではなく「変えていこう」と大きく変化しています。

いかがだったでしょうか?

これを知った上で映画を観れば、また見方が変わってくる部分もあると思います。

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